陸奥国の神秘・電話占い
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尼子の百物語

第四十三話「良心が引き寄せた生き霊の話」

車好きの知人から相談を受けたときのお話しです。

とある写真サイトで、元々は古い愛車を載せていた男性が、最近やたらと心霊スポットの写真を多く上げていて、その古い愛車で心霊写真を撮りに行くのが好きらしく、気味が悪いのでブロックしたら、他の名前で接触してきた、と。何故、知人がその方に気に入られてしまったかというと、車が好きなこと(共通点)、また、仕事の話に乗ってしまった、「自分はうつ病だが、毎日辛くても出社している、それは自分にしかできない仕事があるからだ」と自負する男性をつい持ち上げてしまったそうなのです。

それ以来、彼は「自分には自殺願望がある、死にたい死にたいと毎日思うが、自分にしかできない仕事があるからまだ死ねない、体調不良でも出勤する、家族には自分がいつ死んでも困らないだけの貯金を用意してある」と。その方は時々自分が処方されている薬の写真を投稿したり。そこまではまだブロックしていませんでしたが、さすがに「わざわざ心霊写真を撮りに行き、それを投稿する」気持ちが気味悪く、またネット上の付き合いレベルの相手なのでそれ以上距離を縮める気もなかったため、ブロックしたそうです。

しかし一旦、相づちを打ってしまったことで、彼は知人を追うようになりました。「今日はああしたこうした」から始まり「このスポットのどこに何が写っているかわかりますか?」「今日も死ねなかった」、さらには「実の息子がOD(オーバードーズ)をし、障害が残り入院中」「実の娘のリストカットが止まらない」、また、「見知らぬ人の喧嘩の仲裁に入ったら殴られ、警察が来て、自分も殴った側にされ留置所で一夜を過ごしました」と。霊障を疑うに十分なトラブルだらけです。

知人はその人のことをもう冷たく突き放したことを言いますが、この方をよくよく霊視してみると、元から先祖霊がいない邪霊憑きなのです。頼りの守護霊は「邪霊」。「死にたい」は彼にとっては「誇りの言葉」、そう簡単には死にません。心霊写真を撮りに行くのは「仲間」が呼んでいるからです。一家の大黒柱であるはずの父親が超の付く邪霊憑きでは、家族にも良くない影響が及びそうでした。ネットをかいくぐり知人へアクセスして、心霊写真や気の落ちるような話を送ってくるその男性、そしてついついそのメール内容を読んでしまう知人。わたしが救うべきはその両者でした。

とは言いましても、直接知り合いでもないその男性のために、できることは限られています。そこでまずは知人に、自分でできる除霊法を教え、わたしも彼女の波長が整うよう気を送りました。実は遠隔霊視した結果、男性の生霊がウロウロしていたのです。たかがネットで知り合っただけでの方です。彼の人生、家族のことなど、どんなに可哀想と思う人でも知人には関係ないこと。これ以上関わってはいけませんと言い聞かせました。と同時に、知人経由でその男性にも念を送ることで、少しでも状況が好転するように力を注ぎました。この状況でできる精一杯といったところです。

その後、知人への男性からの連絡は完全に途絶えたそうです。今回のケースのように、親切心を起こしたり軽い気持ちで他人の心に寄り添うのは危険です。どんな人なのか素人目には判らないものです。強い心を持って断ち切ってください。そして、わざわざ心霊スポットに行ったり写真を撮るような方とは、関わらないほうがよいでしょう。

尼子の百物語 / 第四十三話「良心が引き寄せた生き霊の話」