第十七話「長年の親友」

長年の友人と縁を切ってもらったという40代前半の方からご報告のお便りをいただきました。事の顛末がしっかり描かれておりましたので、ご本人の了承を得き、プライバシーの配慮等一部修正させていただいた上で全文を掲載させていただきます。

電話占い尼子の縁切り鑑定でお世話になりました。おかげで助かりました。最近、ある人と縁を切ってもらったんです。彼女は決して人格者というわけではありませんでした。でも長年うまくやってきたんです。それがここ数年、なんというか、手が付けられなくなってしまいました。 以前から自信家で横柄な部分がありました。でも、昔はそれが良い面として働いていました。立場が上の人にも物おじせず向かっていったり、下の人への面倒見が良かったり、結果的に良い人だったんです。普通の人なら心折れてしまうような逆境を跳ね返したことも何度もありました。私には到底まねできない姿勢でした。彼女に対して尊敬に近い気持ちを覚えたこともあります。

私たちは新卒の動機でした。彼女は最初からバリバリのキャリアウーマン志向でどんどん出世していきました。その一方、私は社内恋愛の末寿退社。家庭に入り、専業主婦として家事と子育てに追われる毎日です。立場も考え方もまったく違うけど、正反対だからこそ良い関係を築いていけると思っていました。

ですがここ数年、彼女が私に対して威圧的になるようになったんです。あと、周りの人に対してもバカにするような物言いが増えたり、一緒にご飯を食べた際に店員さんに横柄だったり、思わず引いてしまうことが増えました。そして先日、彼女が妻子持ちの男性と不倫関係にあることを打ち明けられたのです。「同じ立場のあなたには悪いけど」とは言っていましたが、「奥さんより絶対私のほうが女性として魅力的」「ママになったら女じゃなくなる」と、聞いているこちらの胸が痛くなるようなことばかり言われ、「不倫はやめたほうがいい」と言い返す気力も湧いてきませんでした。

彼女とは喧嘩したくありません。でももう付き合いたくありません。電話占い尼子の霊能者の先生が縁切りをしてくれると知り、お願いしてみることにしました。事情を説明する間もなく彼女の人物像を言い当てられたのには驚きましたが、細かい話をこちらからしなくても事情を汲んでくださったのには助かりました。

先生いわく、人間同士の相性は年齢を経るにしたがって変わる、とのこと。彼女と私のようにまったく違うタイプで互いに刺激をもたらしあう関係は、将来の可能性が広がっているうちは互いに良い関係を築ける、だが年を経るにしたがって人生のルートが決まっていき、自分にないものを得た人のことを受け入れられなくなっていく、とのこと。

「彼女も心のどこかに結婚願望や子供を持ちたい願望があったのでしょう。でも彼女は仕事を選んだ。その選択は決して間違いではありません。ただ、彼女は自分で思っているより寂しがりな女性だったんです。だから女性としての幸せを手に入れたあなたに辛辣になったり、既婚者との略奪愛に溺れたり、そういう自分を正当化したりするようになってしまいました」先生の言葉はとても腑に落ちるものでした。

「私たちはもう一度やり直せるでしょうか？」そう尋ねる私に「今は無理でしょう。あと20年、30年経ってふたりがご老人になられたら可能かもしれませんが」そう言われ、ようやく諦めがつき、縁切りの祈祷をしていただきました。

効果はありました。急に彼女からの連絡が来なくなったのです。SNSも更新がなくなりました。風の噂によると不倫関係がばれて相手側の奥様から多額の慰謝料を請求されたとか。おそらく彼女なりのプライドで私に無様な姿は見せたくないのでしょう。私も彼女とはしばらく会いたくありません。でも、先生がおっしゃったように、あと20年、30年経って、ふたりがおばあちゃんになって、何かのきっかけでまた再会できたら、あの頃はお互い若かったねって笑いあえたらいいなって思います。