第十回「略奪愛の末に、結ばれるべくして結ばれた2人」土御門先生
既に恋人のいる相手を好きになってしまった。このようなご相談も、私の元にはしばしば寄せられます。恋人がいると知った上で好きになったのか、好きになった後で交際相手がいることを知ったのか。その割合は半々といったところでしょうか。千葉県にお住まいの若菜さん(29才・IT企業勤務)は後者でした。本来、彼女は恋愛に奥手なタイプで、過去に男性と交際した経験も数えるほど。ですから、好きになったAさんに彼女がいると知った時は少なからずショックを受けたようですが、それでも諦めきれなかったのは、Aさんへの想いが極めて強かったからです。
鑑定に取り掛かると、表面的には決して分からない若菜さんの熱い気持ちが見てとれました。確かに彼女は、自覚されているように男性に対して積極的なアプローチを取るのが苦手なのですが、好きになったらとても一途で情熱的なタイプ。普段はそうした恋愛感情を押し殺しているのですが、霊視で心の奥を見ると、そのことがはっきりと読み取れました。
次にAさんの魂に意識を飛ばしてみますと、この方の心もまた複雑な状態にありました。Aさんが恋人と付き合い始めたのは3年前からで、この半年ほどは仲違いが続いていたのです。彼は若菜さんの気持ちに完全に気付いているわけではありませんでしたが、「感じのよい女性」であると好印象を抱いていました。
さらに、Aさんと交際相手の女性との今後を見てみると、2人の関係はこの先も改善しないばかりか悪化の一途をたどることが分かりました。鑑定の際に私が使う愛魂戻呪という霊術は、このような略奪愛の願望を叶える際にも極めて有効です。Aさんは恋人との関係が上手くいっておらず、若菜さんに対しても好感を持っていたのですからなおさらそうです。この時点で、愛魂戻呪をもちいればAさんの心が100%若菜さんのものになることは分かっていました。そのような確信を持ってAさんの魂に念を飛ばしたところ、彼の気持ちが若菜さんの方にぐっと引き寄せられていく様子が手に取るように見えました。
愛魂戻呪を行なうことによって、Aさんの気持ちは当時の交際相手から完全に離れていきました。事実、それから約1カ月後に若菜さんからいただいた報告によると、Aさんは鑑定の後すぐに自ら恋人に別れを告げた上で、若菜さんに交際を申し込んできたといいます。それは私が鑑定の際に見通した流れと完全に一致するものでした。若菜さんとAさんの縁の結び付きは極めて強く、この先末永く幸せになられることは間違いありません。交際を始めてまだ日が浅いながらも、彼女もまたそう実感されているようでした。若菜さんとAさんは、まさに結ばれるべくして結ばれたお2人だったのです。