第七回「泥沼寸前の二股恋愛から幸福な未来へ」羽根谷先生
二股をかけられていたことが分かりショックを受けた女性からの相談ももちろん多いのですが、その反対に、自分自身が二股をかけているという女性から鑑定の依頼を受けるケースも意外なほど寄せられます。萌子さん(28才・会社員)が抱えていた悩み、不安も、2人の男性と同時に交際していたことから生じたものでした。
これまでは決して派手な男性遍歴ではなく、どちらかというとプライベートでは地味な生活を送ってこられた萌子さんの人生に転機が訪れたのは、28才の誕生日を迎える直前のこと。ほぼ同じタイミングで2人の男性から交際を申し込まれたのです。これは彼女にとって予想だにしなかった事態であり、さらに悩ましかったのは、仮に2人の男性をAさん、Bさんと名付けると、タイプの異なる彼ら両方に強く惹かれたことでした。
要するにどちらか1人を選べなかったのです。萌子さんの心の内を霊視すると、2人と交際を始めて数ヶ月が経った今も、いや時間が経過するほどに大きな葛藤が生じていることがはっきりと見てとれました。それに彼女は元来、優柔不断なタイプでもあったのです。「もうこれ以上、AとBの2人に対して二股をかけていることをごまかしきれない」という彼女のその思いは切実でした。
電話がつながるとすぐに彼女の現状や相談内容を霊視で読み取った私は、次にAさんとBさんの魂から発せられている声、すなわち本心を把握して萌子さんへ正確に伝えるべく、自動書記に取り掛かったのです。するとただちに、彼ら2人の萌子さんに対する想いには明確な違いがあることが判明しました。まずAさん。彼の気持ちにはまったく偽りがありませんでした。とても真っ直ぐに、ストレートに萌子さんだけを見つめ、愛していることが読み取れたので、私はそれをできるだけ具体的にメモ用紙に書き記したのです。
一方のBさんに関しては、彼の魂と交信すればするほど、その心が1人の女性だけに向かっていないことがよく分かりました。別の言い方をすれば、彼にとって本命の女性は別に存在したのです。Bさんは生来の浮気性で、今回の萌子さんに限らず、1人の女性を本気で愛することができない性質であることが、私には手に取るように分かりました。そのことを萌子さんに伝えると、さすがに少なからず動揺はされていましたが、すぐにその事実を受け入れられたのです。
先ほど述べましたように、彼女は優柔不断な性格なのですが、この時ばかりは決断が早く、すぐにAさんの方に心が傾くのが読み取れました。鑑定後、萌子さんはさっそくBさんに本当のことを打ち明け、交際の継続を丁重にお断りしたとのこと。それからはAさんと順調に交際を続けており、これまでの人生で最高とも言える幸せな時間を過ごされているそうで、私としましても本当に嬉しく感じております。