第六回「上手くいかなかった転職活動を成功に導く」叶先生
以前と比べて不安定になっている昨今の雇用状況とも関係していると思いますが、私の元にもお仕事に関する相談をされる方が年々増えております。雄介さん(36才・出版社勤務)もまた、そんな1人でした。大学卒業時が就職氷河期にあたった雄介さんは、これまで契約社員や派遣社員、フリーでお仕事をされてきました。しかし付き合い始めて5年になる恋人との婚約を機に、何とか正社員の職に就きたいと考えるようになったのです。
しかし現実は厳しく、何社にも応募したものの、書類選考や面接試験でことごとく落とされる状況が続きました。私は電話がつながる前から意識を集中させていたので、鑑定を始めるとすぐに雄介さんの魂を読み取ることができたのです。志望した企業に立て続けに落ちていたせいか、魂の状態は不安定で、“気”も乱れていました。ですから私は鑑定を滞りなく進めるためにも、まずはこの魂の状態を整えねばならない、そう考えて雄介さんに癒しの念を送ることにしたのです。
すると拡散していた“気”の流れが、スーッと一直線に収縮し整っていく様が読み取れました。そして次に私が取り掛かったのが降霊です。私ども霊能者が行なう降霊には幾つか種類がありますが、雄介さんに関しては守護霊呼び出しが願望成就に最も効果的でしたので、彼の守護霊と交信を図ることにしました。基本的に、守護霊とはどの人間のそばにもいて、その方の未来、運命を見通すことができる存在なのです。ですから、そうした守護霊を呼び出し、雄介さんの未来を望み通りのものにするための最短最良の方法を聞き出そうと考えました。
降霊した守護霊はとても強いパワーを有しており、雄介さんの未来を鮮明に見通していました。守護霊が最初に述べたのは、これまで雄介さんの転職活動が上手くいかなったのには明確な理由があるということでした。それは、彼が自分と全く縁のない企業や縁遠い企業にばかり応募しているためだというのです。これでは上手くいくはずがない、と。特に雄介さんは、縁の有る無し、濃い薄いがはっきりしたタイプの方だとも言われていました。
そのことを踏まえた上で守護霊は、では雄介さんと縁があり、なおかつ彼の希望と合致する企業はどこなのかを明らかにされたのです。具体的に何社かの企業名を挙げることによって。それらの企業に応募すれば確実に内定をもらうことができるし、雄介さんも満足できるのだ、と。守護霊から受け取ったそれらのメッセージを、私は余すことなく雄介さんにお伝えしました。
守護霊が挙げた企業の中には、雄介さんが強く興味を持っていたところが含まれていたようで、彼の心を霊視すると、鑑定後にさっそく応募しようと考えていることが読み取れたのです。そして鑑定を終えてから2ヶ月ほど経った頃に雄介さんから、その企業に内定が決まって既に働き始めているという連絡をいただきました。何でも鑑定後に求人に応募したところ、嘘のようにトントン拍子で内定が出たといいます。そして職場の雰囲気、待遇、仕事内容すべてに満足し、充実した日々を送っており、恋人との結婚式の日取りも決まったとのこと。事実、その時の雄介さんの心を霊視すると、鑑定当初とは別人のように、充実した状態であることをはっきり読み取ることができたのです。