鑑定実例No.02
「5年前、金銭トラブルを恥じて失踪した義弟。その行方を知りたい」
この実例は、「口寄せで人を探すことはできないか?」というご相談に対して、昔ながらのイタコの生口(いきくち)という手法を忠実に用いた記録です。生口は、電話占いの世界では「生き霊(相手の潜在意識)との会話」という形に応用されて使われていますが、本来は生死の分からない人物の行方をたどり、その霊を呼び出すための方法です。例えば沖合で船が遭難して死体が上がらない漁師の霊を家族が呼び出し、供養をする際に使われることもあったと伝えられています。これを行うと当事者の生死に関わらず、その所在をある程度まで明らかにできるからです。
なお今回、行方が分からなくなっていたのは、相談者の義理の弟さんです。5年前、事業に失敗して大きな借金を背負い、夫の実家で尻ぬぐいをしてあげたが、そのことを恥と感じて失踪したとのことでした。最近になって病身の義父が余命宣告を受け、生きているうちにもう次男と一度会わせてやりたいとの気持ちで探したものの、どうしても見つからなかったそうです。「興信所でも探せなかったのですが、霊能者の先生なら何か分かると思い、夫とも話し合ってお電話させていただきました」と消沈した声でおっしゃっていました。
事前の探査に難航しながらも、ようやく霊を降ろす
……ああ、やっと見つけました。ご安心ください。この方、ちゃんと生きておられますよ。
<我が身に霊を憑依させる準備を終えた後>
はい、ではこれから私を通してお話ししていただくわけですが、向こう側の霊気の状態はとても弱いため、引き留めておくのが精一杯という感じなのです。しっかりとした会話は成立しないかもしれませんので、その点はあらかじめご了解ください。さあ、とりあえず、この男性が何か返事をするまで、繰り返し根気よく呼び掛けてみてください。
<苦しげに呻く声が断続的に続くが、言葉らしきものは発せられない>
事実関係の符合で本人と確認。しかし、いきなり霊が離れる
……というわけでお義父さん、もってあと半年って宣告されているの。どうか生きているうちに戻って、会ってあげてちょうだい!
<声が素に戻る。口寄せ中断>
……今、霊が離れてしまいました。お父様のことはかなりショックだったようです。元々、プライドが高い方のようですが、それに加えて自分を責める意識も相当強いですね。自己懲罰の傾向が異常と言いますか……。こんな言い方は大変失礼なのですが、よく今まで自殺しなかったと思うくらいです。
失踪の遠因が特殊な家系因縁によるものであると指摘
失踪の遠因が特殊な家系因縁によるものであると指摘
ううう……義姉さん……。
<声が小さくなり、全く応答しなくなる。霊がまた離れた模様。口寄せ終了>
……還ってしまいました。本人の無意識部分からの抵抗が強いので、これ以上は難しいですね。
<この後は義弟の生き霊が漏らした断片的な言葉、さらに霊能者自身の透視結果も踏まえて居場所の手掛かりをいくつか告げ、鑑定は終了する>
その後の経過
6月下旬、相談者本人の談
この度は本当にありがとうございました。その後、いただいた手掛かりを頼りに再度、興信所に調査を依頼したところ、九州のN県にある某地域でようやく本人を発見することができました。義弟自身はもちろん係累や知り合いともまるで関わりのない離れた場所で、しかもしっかりとした身元確認がされないアルバイトや賃仕事を選んで転々としていたようで、今回、口寄せをしていただかなければ絶対に見つけることはできなかったと思います。
所在の確認後は、夫と私が急きょ現地へ飛びました。先生がおっしゃっていた通り、激やせして人相がかなり変わっており、会った直後は義弟とは分からないくらいでした。また、たしかにヒゲも生やしていました。
それから3日3晩かけて説得した結果、つい先週、何とか郷里に連れ戻すことができ、義父は大変喜んでおります。最後に親孝行ができて本当に良かったと、夫も心からの感謝の言葉を申しておりました。
義弟の件はこれで一段落ついたものの、例の先祖因縁の話が気になってしかたありません。そうしたものというのは、先生のお力で祓ったり消したりすることは可能なのでしょうか。もし可能ということであれば、ぜひそれもお願いしたいと思います。近いうちに、あらためてご相談させていただきます。