陸奥国の神秘・電話占い
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尼子の百物語

第三十話「インフルエンサーの苦悩」

今回お電話をいただいたのは、某SNSでおよそ5万人のフォロワーを抱える亜弥さん(仮名・25歳)。3ヶ月前までは数百人だったフォロワーが、ある投稿をきっかけに飛躍的に伸びたと言います。最初は好意的なコメントばかりだったのが、フォロワーの数が伸びれば伸びるほど、悪意のあるコメントも増えていきました。そして、それに比例するかのように、彼女の周りで不可解な出来事が起こるようになったと言います。

「自宅に一人でいる時、誰かの視線を感じるようになったり、風もないのにカーテンが揺れたり、物が落ちたり…。あと、毎晩のように金縛りに遭うようになったんです…」と弱々しく話す亜弥さん。実は、彼女からご相談のお電話をいただいた瞬間に、彼女におびただしい数の生霊が憑いているのが視えました。

生霊がみな一様に抱いていたのが、「調子に乗るな」「過去を暴いてやる」「人生をめちゃくちゃにしてやりたい」などという彼女に対する悪意。そして、彼女が反論できない立場なのをいいことに、投稿に否定的なコメントを書き込んで、足を引っ張ろうと躍起になっていました。

亜弥さん自身を霊視すると、もともと霊感が鋭く、霊に取り憑かれやすい体質のようです。その繊細さが生霊の怨念に影響され、今回のような心霊現象に巻き込まれる形となってしまいました。亜弥さんにはそのことをお話すると、「昔から、幽霊を見ることもあって、神社でたびたびお祓いをしてもらっていた」とのこと。このままでは亜弥さんの身が危ないと判断し、すぐさま生霊の浄化を行いました。

それからしばらく経って、亜弥さんからご報告のご連絡をいただきました。相変わらず否定的なコメントは絶えないものの、金縛りをはじめとする不可解な現象はピタリとやんだとのこと。相手を「うらやましい」と思う気持ちも、「憎らしい」と思う気持ちも表裏一体です。

人気が出てファンが増えれば増えるほど、「アンチ」と言われる人たちも出てきます。亜弥さんのように羨望の視線にさらされる人の中には、このような苦悩と闘っている方たちもいるのかもしれません。

尼子の百物語 / 第三十話「インフルエンサーの苦悩」