陸奥国の神秘・電話占い
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尼子の百物語

第二十七話「新装開店のパチンコ屋」

パチンコ店でアルバイトしていたフリーターの優穂さん(仮名・25歳)から相談の電話をいただきました。彼女が働いているパチンコ店は近所に最近できた大型店で、時給も良く、ちょうど前のバイトを辞めて別の仕事を探していた優穂さんは、オープニングスタッフとして応募し、採用されたそうです。しかし、研修期間が始まってしばらく経った頃、「バイトを始めたお店を辞めようと思っているのですが…」と尼子に電話を掛けてこられました。

「気のせいだと思いたいのですが、お店に“出る”んです。今日はその件について先生にお話を聞きたくてお電話しました」そう話す優穂さん。「ギャンブル依存症の方がパチンコ屋のトイレで自殺したり、駐車場に子供を置き去りにしたりするニュースは知っているけど、新しいお店だからそんなことはない、そう思っていました。でも、フロアを巡回していると、ある場所に知らない人が立っていたり、店内を黒い影のようなものがうろついていたりするのを何度も見るんです。最初は目の錯覚かと思ったんですけど、あまりに頻度が多いので、これは錯覚なんかじゃない、と思うようになりました」とのことでした。

さっそく霊視をすると、その建物は決して新しいわけではなく、前に潰れた別のパチンコ屋をリフォームして再使用していることがわかりました。前のパチンコ屋は客から搾り取る店として有名だったらしく、ギャンブルに負けた客が店で自殺を起こしたり、事件を起こしたりしたことも何度かあったようです。かなり強い負のオーラが漂っており、厄介な不浄霊の存在も何体か感じ取ることができました。

見えたものを話し、「このお店は良くないですね。あなたは既に見えてしまっていますから、取り憑かれる恐れがあります。よほどの理由がないのでしたら辞められたほうが良いでしょう」そうお伝えしました。優穂さんは納得した様子で「ありがとうございます! すぐに辞めます!」とおっしゃっていました。

それからしばらくして、優穂さんからご報告のお便りを頂戴しました。優穂さんが辞めた後、お店はグランドオープンしたそうですが、「妙なものを見る」という報告が殺到し、すぐに客が飛んでしまったとのこと。アルバイトスタッフも次々と辞め、お店はたった半年ほどで潰れてしまったそうです。

尼子の百物語 / 第二十七話「新装開店のパチンコ屋」