陸奥国の神秘・電話占い
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尼子の百物語

第二十六話「自ら命を絶った親友」

数週間ほど前にご相談の電話をかけてこられた恭子さん(仮名・35歳)。電話を受けた瞬間にただならぬ霊気が流れ込んでくるのを感じました。そして次の瞬間、脳裏に浮かんだのは涙を流す女性の霊でした。これは恋愛や仕事の相談ではなく人の生死にかかわる霊的な相談である。そうすぐさま直感しました。

恭子さんと簡単なご挨拶を交わした直後、本題を話し始めるより前に「涙を流す女性の霊が見えます」と告げると、大変驚いた様子で「親友が自殺してしまったのです。それ以来、夢によく出てくるようになって…。彼女はもしかしたらまだ成仏していないのではないかと思い、霊能者の先生に鑑定してもらいたいのです」そう事情を話して下さいました。

電話を受けた時に感じた、ただならぬ霊気。その発信源が亡くなったご友人の霊であることは一目瞭然でした。彼女はまだ霊界に返っておらず、親友である恭子さんの周囲をグルグルと飛び回り、半憑依状態となっていたのです。

死因は失恋とのことでしたが、彼女の霊は、失恋そのものより、勢い余って命を絶ってしまったことを大変後悔している様子でした。そこで私は、彼女の霊と交信を試みてみました。現世に恨みや怒りを抱いている様子はなく、ただ自殺という方法を取ったことを悔やんでいましたので、「あなたは間違いを犯してしまったが、やり直すことはできる。霊界に返って悔い改め、新しい生へと進みなさい」と教え諭しました。これは霊界の法則です。

自殺した方の霊は成仏できないとよく言われますが、決してそんなことはありません。もちろん、自殺は良くないことです。天から与えられた命を自ら断つという行為は魂に対する冒涜となります。しかし天は、過酷な環境に耐えかねて自殺を選んだ方の魂を、死してなお責め苦に遭わせるほど非情ではありません。

自らの行動が過ちであったこと、別のやり方で生き続けるべきであったことに気づき、自らの選択と行為を反省し来世でもう一度やり直す決意をすることで、魂は霊界へと導かれ、転生に至ります。その霊界の法則を、恭子さんのご友人である女性の魂に教え諭しました。彼女はそれを素直に受け入れ、霊界に返っていきました。

鑑定以降、恭子さんの夢にご友人が現れることはなくなったそうです。「彼女が生まれ変わって幸せになれるよう心から願っています」ご報告のお便りにはそう綴られていました。

尼子の百物語 / 第二十六話「自ら命を絶った親友」