陸奥国の神秘・電話占い
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尼子の百物語

第二十三話「霊を引き寄せる不思議な絵」

先日、電話相談を下さいました靖子さん(仮名・28歳)。都内の雑貨屋で勤務しながら画家を目指している女性とのことで、繊細で感受性の強いアーティスティックなオーラを感じ取ることができました。そんな彼女のご相談内容は、以前自らがお描きになったという一枚の絵に関するもの。先日、とある小さなスペースを借りて個展を開いたそうなのですが、その絵の前に半透明の人が立っているのが見えたそうです。

その後、ファンの男性が絵を買っていったそうなのですが、その男性の身に不幸な出来事が立て続けに起こり、男性は入院。彼女はそれをとても気に病んでおり、電話占い尼子の霊能者にご相談されてきました。

「私の絵が不幸を呼んでしまったのでしょうか?」そう告げられ、私は霊視を開始。すると靖子さんの不思議な体質が解りました。靖子さんは霊体を引き寄せる“吸収体質”であり、ただ普通にしているだけで周りの霊体が次々と集まってくる特殊な方だったのです。しかし、その一方で靖子さんには強力な守護霊が憑いており、その守護霊が悪いものを跳ね返し、彼女を護っていることも判明しました。

靖子さんの守護霊は数百年前に亡くなった強力な修験者で、ひときわ強い気を放っており、あらゆる霊体をすべて鏡のように跳ね返していたのです。その結果、靖子さんの周囲にはまったく霊が寄り付かず、しかしながら一定の距離を取った場所に、ご本人を取り囲むようにして無数の霊がひしめいている、という不可思議な状況となっていました。

そんな靖子さんの描く絵には、時々、そんな彼女自身の体質が宿り、霊を吸い寄せる不思議な力を秘めることがあり、数枚に一枚程度の割合で、「霊体の宿る絵」を産み出してしまうようです。もちろん、宿る霊はそれほど強くないものばかりで、誰かが買ったところで大した影響はありません。良い霊が宿った場合はラッキーアイテムとなることもあります。靖子さんの絵には独特の魅力があり、まだそれほど有名ではないにもかかわらず、熱烈なファンがいるそうです。それは靖子さんの絵が僅かな霊力を宿している影響だと言えるでしょう。

しかしながら、「買った男性が入院した」という問題の絵に関しては、少々性質の悪い霊体が宿ってしまったようです。個展開催中に見たという半透明の人がその霊体の正体に他なりません。浮遊霊の多くは力の弱い霊体ですが、時折、それなりに力の強い霊体もいます。無念や絶望、悔恨といったネガティブな念を秘めたまま不慮の死を遂げてしまった一部の人は、死後、そういった悪しき念の塊となり、性質の悪い不浄霊と化すことがあるのです。絵に宿ってしまった霊体はそういったもののようでした。

霊視結果を丁寧に説明すると、靖子さんは複雑そうな声で「やはり私の絵が良くなかったのですね」と呟きました。「いえ、そうではありません」と伝え、私は靖子さんに、絵自体が悪いわけではなく、魅力のある物には様々なモノが吸い寄せられるという話であることを、もう一度丁寧にご説明しました。すると靖子さんはようやく納得し、「今後も創作活動は続けていきたいと思います」とおっしゃって下さいました。

件の絵に関しては、その後、男性から再び売値で買い戻し、神社に持っていってお焚き上げしてもらったそうです。男性にはそれとは別の絵をプレゼントしたそうです。その後、男性の身に不幸な出来事はまったく起こっていない、というご報告をいただきました。

尼子の百物語 / 第二十三話「霊を引き寄せる不思議な絵」