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開運!心霊鑑定団

第二回
「70代の独身叔母から、我が家の血筋に関する不穏な言い伝えを聞きました。その真偽を確かめたくてご相談しました…。」

高橋友海さん(仮名)・37歳・会社員・東京都板橋区在住

今回は女性の結婚を阻害する、特殊な家系因縁についてのご相談です。相談者は北陸地方の某市出身で、現在は都内のメーカー企業にお勤めの友海さん37歳。昨年、結婚寸前まで進んだ男性とあえなく破局してしまい、その傷心を癒やすために帰省。故郷の地で久しぶりに会った高齢の叔母から、自らの家系にまつわるあらぬ話を聞くことになりました。そしてその真偽を確かめるため、霊視と霊降ろしのご依頼をいただきました。

1.事前の聞き取り~相談内容とその背景の確認

相談者が語る経緯説明を聞きながら
その叔母のプロフィールを言い当てる霊能者

[霊能者] ご依頼の件は、お父様の方の血筋に伝わる先祖因縁のご相談と伺っていますが…。
[友海(敬称略、以下同)] はい。でも、はっきりとしたことはまだ何も…。ですから、その因縁自体の真偽も含めて詳しく教えていただきたいと思いまして。どうかよろしくお願いします。
[霊能者] 分かりました。ではまず、今までの流れを説明していただけますか。
[友海] 話すと長くなってしまうのですが、良いでしょうか。
[霊能者] 構いません。それをお聞きするのも仕事ですから。
[友海] <過去数年の出来事について、順を追って話し始める相談者。3年前に知り合い、昨年破局した男性のことが大半を占める。相談者自身はそのまま結婚するものとばかり思い込んでいたが、相手が二股をかけていたことが露見し、三行半を突きつける形で別れたとのこと。しかし、もしかしたら修復できたのでは…と最近、急に後悔し始めている。その後はお盆休みの帰省で父方の叔母と久しぶりに再会した際、その口から先祖にまつわる不吉な伝承を聞いたという話に及ぶ>…と、まあ、それで叔母が言うには…。
[霊能者] すみません。ちょっと待ってください。その叔母さんというのは、具体的にどのような経歴をお持ちの方ですか?
[友海] 今年の8月で76歳になります。若い頃から活発な人でしたが、今でもすごく元気ですよ。関西の大学を卒業した後、祖父の口利きで地元の公共団体に就職してそのまま定年まで勤め上げて。退職してからは田舎で悠々自適の暮らしを続けています。最近はよく海外旅行へも出掛けているみたいで、私もしょっちゅう誘われているんですが、仕事が忙しくてなかなか…。
[霊能者] その叔母さん、わりと背が高くて、普段の服装もオシャレな方ですよね。和服や骨董などにも造詣が深くてその手の物品をコレクションしていませんか?…ああ、ご自分でもよく着ていらっしゃいますね。着物道楽と言いますか…。
[友海] <息を飲む相談者。仰天している様子>そ、それ…まさに叔母はそういう人です!「着物道楽」って叔母の口癖なんです。先生、どうしてそれを…。
[霊能者] じつは今、その方の叔母さんの霊体意識、つまり生き霊が降りてきているんです。そのことについてはまた後でお話ししますので、取りあえず続けてください。
[友海] …は、はい、分かりました。それで叔母が言うには、私の父方の血筋に関して不吉な言い伝えが残っているというわけです。父方というのは元々、武家だったそうで、総本家には当時の土蔵がまだ残っています。そこにご先祖様が実際に使っていた武具や刀が収められているらしいです。

先祖が犯した殺生の祟りによって
女性が縁遠くなる家系因縁が生じた?!

[霊能者] かなり格式の高い家柄だったんですね。
[友海] 自慢するわけじゃないですが、どうもそうらしいですね。ただ、江戸時代の中頃に本家の跡取りという人が何か不祥事を起こして、仕えていた藩主から閉門蟄居(へいもんちっきょ)を命じられて、その後は没落の一途をたどったと聞きました。そして幕末ぐらいになると、武士の身分さえ捨てて農家や商家になって、一族郎党が散り散りバラバラに…。
[霊能者] なるほど。それでその先祖因縁の原因というのは、今おっしゃったうちのどの時代が起点になっているんでしょうか?分かる範囲で結構ですが。
[友海] はい。これも叔母の言葉ですが、没落する原因を作ったその当主の代からだそうです。町人の女性を試し切りで斬殺したとか、色々と血なまぐさい噂があったらしいんですよ。その時の祟りで、うちの家系に生まれた女性は代々縁遠いと…。
[霊能者] 実際にそういうことがあるんですか?
[友海] はい。その叔母自身も1度も結婚したことがありません。若い時にはそういう相手も何人かいたらしいのですが、どれもこれも破談になったり、恋人が病気で亡くなったりで。
[霊能者] 逆に叔母さんに聞くまで、あなたはその話を知らなかったわけですか?
[友海] ええ、まあ…。ご先祖様が高禄取りの武士だったとか、その辺のことは父に教えてもらっていましたが、さすがに先祖因縁までは…。まさに私はその祟りを受ける1人に該当するわけですから、父も気を遣ったのかもしれません。
[霊能者] そうですか。話の概略は分かりました。つまり前の恋人との関係が破綻したのも、その因縁によるものと考えていらっしゃるわけですね。
[友海] うーん、何と言えば良いのか…。正直、今はまだ半信半疑というか…。でも、やはり「怖い」という思いは強いです。今まで霊とか祟りとか、本気で信じたことはなかったんですが、叔母と一緒に本家の菩提寺に伺って明治時代以降の家系図も見せてもらったら、同じ血筋の女性たちの中に生涯独り身だった人や若くして寡婦(かふ)になってしまった人が本当に大勢いて…。
[霊能者] たしかに不安ですね。さっそく降霊を行って、事実関係を確かめたいと思います。
[友海] お願いします。

2.降霊と宣託

相談者の血筋につながる霊の探査を繰り返す霊能者
やがて1体の先祖霊を降ろすことに成功するが…

[霊能者] <トランス状態に入る。経文を唱えながら、しばらく何かを探っている様子。やがて目的の存在が見つかったのか、おもむろに声を上げるが>。
ああ、これは難しい…。
[友海] あ、あの…、どうしたんですか?
[霊能者] あちらの波動が弱すぎて、降ろすところまでいきません。
[友海] ダメだということですか?
[霊能者] うーん、ダメと言いますか…。降ろしにくいこと自体は、決して悪いことではないんです。お宅の先祖様は皆、立派に成仏されているということですから。通常、深刻な家系因縁などの霊障がある場合、ほぼ必ず成仏していない霊が見つかるものなので、逆に言えば心配するほどの事態ではない、ということかもしれません。
[友海] そうなんですか?
[霊能者] はい。先ほどお話をお聞きしていた最中から、そうした予感はあったんですが…あっ、1体だけ捉えることができました。…ん、んんっ…うん、うんっ…<1人頷くような声を出し続ける霊能者。キャッチした霊体と交信している模様>…ん、なるほど…。
[友海] <勝手が分からず、黙ったまま見守り続ける>
[霊能者] …何とか来ていただくことができました。この霊はサンザエモン(漢字を宛てると三左衛門か?)と、名乗られています。裃姿(かみしもすがた)の正装に身を包んだ、やや老齢に近い武家の方ですね。高橋家の12代当主とのことです。
[友海] わっ、ホントにご先祖様が?!なんかスゴい…。
[霊能者] 今しがたの私とのやり取りを含めて、この方がおっしゃっていることを取り次ぎます。あちらは当時の武家言葉なので、もし意味が分からなければおっしゃってください。まず初めに『なにゆえに我を呼び出ししか?』と問いかけて来られたので、血筋にまつわる特殊な因縁というのが実際にあるのかどうかを率直にお訊きしました。すると、答えは『定かならず』とのことでした。要するに、この人物自身は把握していないと。
[友海] いつ頃の時代のご先祖様なんでしょうか?
[霊能者] 享保(きょうほう)の御代(みよ)とおっしゃっているので、江戸時代の中期ですね。『我が息(そく)、源之丞、図らずも主家の不興(ふきょう)を蒙り…』と今、無念そうな表情で独り語りを始めました。もしかしたらこの方の息子の源之丞という方の代に、蟄居閉門させられる不祥事が起きたのかもしれません。ただ、波動があまり強くないので正確な確認を取るのは難しそうです…。
[友海] あの、先生。せっかくだから他にもいくつか聞いてみたいことが。良いですか? <その後もしばらく霊能者を介した先祖霊とのやり取りが続く。純粋な好奇心から発した質問が多く、本題とあまり関係がないので割愛>

確認が取れないまま先祖霊は去り
代わりに叔母の生き霊が現れる

[友海] …色々、すみせん。こんなチャンス滅多にないと思って、くだらないことまで聞いちゃったかしら。でも、肝腎なことは分からずじまいってことですよね…。
[霊能者] いえ、そんなことはないですよ。この三左衛門さん、実際にはもう成仏されていて、今はその残像のようなエネルギー体を霊界から引っ張ってきているだけなんですが、こうした残留思念的な波動は記憶装置の役目も果たしているので、それを通して過去の出来事もある程度、透視できますからね。
[友海] えっ、そうなんですか?ぜひ、それもお願いします。読み取ってみてください!
[霊能者] いえ、じつはもう、あらかた済ませました(笑)。結論から言うと、子孫代々に禍根を残すほどの深刻な先祖因縁は見当たりません。言われたような不祥事や殺生沙汰は実際に起きたことのようですが、その時に生じた恨みの念がすでに浄化されているんです。菩提寺に依頼して入念に供養した形跡が窺えます。明治時代の末から大正の頃に、一族に連なる誰かがそれをやったようですよ。
[友海] 先祖因縁はあったけれど、それはもう消えたってこと?
[霊能者] そういうことです。
[友海] じゃあ、叔母が言っていたのは?
[霊能者] 先ほど申し上げたように、その叔母さんの生き霊も降りてきています。
[友海] あの、さっきも気になったんですが、それってどういうことなんでしょう。私のことを頼っているのかな…?
[霊能者] ご明察です。
[友海] やっぱり…。薄々、そうじゃないかって気づいていたんです。「もしユウちゃんがずっと独身だったら、私が東京へ行くから一緒に暮らさない?」とか、「何ならマンションも買ってあげるし、遺産も残してあげるから」とか、この前会った時にもそういう本音めいたことをそれとなく口走っていて…。
[霊能者] 叔母さんに悪意は見られませんがその一方で、もしかしたら、あなたに老後の面倒を見てもらえるんじゃないか、と密かに期待していることも間違いないですね。
[友海] 私、兄が1人いるのですが、それはもう結婚して郷里の父母と同居しているんですよ。将来、そちらの世話は間に合うから、私の方は叔母を…ってことですよね。
[霊能者] くどいようですが、本当に心の底から姪の身を心配しています。でも、そこに自分の無意識的な願望も少し混じっているんでしょうね。とにかく家系因縁の枷(かせ)自体はすでに存在していないわけですから、叔母さんが独身を通したのはたまたま。あなたもその気になれば、幸せな結婚ができるということです。
[友海] ありがとうございます。おかげで目の前のモヤが晴れた気持ちです! <この後、相談者は二股が原因で破局した相手との復縁について訊ねるが、霊能者からはあまり芳しい答えは返ってこない。新たな人生の可能性を探すべき!と励まされ、鑑定は終了>

3.降霊を終えて~相談者からの感想

(約2ヶ月後、メールを通しての聴き取り)
その節はお世話になりました。その後、再び帰省した際に調べ直したところ、霊降ろしで分かった「三左衛門」と「源之丞」というふたつのキーワードは、いずれも実在した先祖の名前であることが判りました。今回も本家の菩提寺へ出掛けて、過去帳やら家系図の写しやらを見せてもらったのですが、応対してくれたご住職の息子さんに「もしかして、レキジョですか?」と真顔で訊かれ、答えに窮しました(笑)。

その人、年齢は30代後半でかなりのイケメンで、おまけにまだ独身と知り、思わず目がハートになってしまって…。東京であくせくするのがいよいよ嫌になったら、お寺の奥さんに納まるのもアリかも、なんて勝手な妄想をふくらませています(笑)。

私に頼る叔母の気持ちはたしかに重荷ですが、たとえこの先、結婚したとしても何らかの形で面倒を見てあげることはできるわけですから、臨機応変に対応していこうと考え始めました。近日中にまた鑑定を申し込ませていただきますので、今後も引き続いてよろしくお願いします。

開運!心霊鑑定団 / 第二回