陸奥国の神秘・電話占い
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イタコが切る!愛の縁切り実録

第十三話「彼の一番になりたくて…」

好きになった人に別の恋人がいたことが判明した場合どうするか。二種類のパターンに分かれます。諦めて身を引く人と、それでも振り向かせようとする人です。どうしても好きになってしまって諦めきれない場合、相手から奪い取らなければなりません。しかし堂々と略奪愛を実行できるほど肝の座った人はそれほど多くありません。それゆえ、「好きな人と交際相手を別れさせて欲しい」と霊能者に依頼してくる方もいらっしゃいます。


ご相談者様の恵理さんは当時20代半ばの独身女性。とある男性と親しくなり、身体の関係を持つようになりましたが、曖昧な状態のままなかなか恋人関係に発展しませんでした。「付き合ってくれないの?」と何度も聞こうと思ったそうですが、そう言うことで彼から切られるのが怖くてなかなか言い出せなかったようです。

そんなある日、置きっぱなしにしていた彼のスマートフォンにLINEの通知が入っているのを見つけました。通知の内容は明らかに彼の恋人からのメッセージだったのです。恵理さんの頭の中にはふたつの選択肢が浮かびました。ひとつは彼を追求して遊びの関係を終わらせること。もうひとつは彼との関係を完全に割り切って楽しむこと。しかし恵理さんはそのどちらも取れませんでした。そこで恵理さんは、電話占い尼子の霊能者に相談することにしたのです。

「別れさせることは可能です。ふたりの縁を切ってあなたと結ばれるようにいたしましょう」イタコ霊媒師はそう言いました。続いて「しかし、彼と結ばれてもいずれ彼は別の女性と浮気をするでしょう」そう言いました。

確かに、恋人がいる上で遊び相手も作っている男性ですから、自分が本命になったとしても、いずれ同じことをされるに違いありません。それはわかっていました。でもその時の恵理さんはどうしても彼の一番になりたかったそうです。「いま彼が手に入ればそれでいいです。お願いします」そう告げると、イタコ霊媒師は「わかりました」と言い、祈祷に入りました。

縁切り祈祷の効果はすぐに現れました。彼は恋人と破局し、恵理さんに「付き合って欲しい」と言ってきたのです。当初二股をかけていたことも正直に白状したうえで「相手とは別れた」とのことでした。遊び相手から本命に昇格できた。恵理さんは傷ついた自尊心が癒されていくのを感じました。その後、恵理さんはしばらく彼と普通のお付き合いをしたそうです。

しかし、最初は心を入れ替え一途になったと思った彼も、次第に恵理さんに嘘をついて他の女性とふたりで飲みに行くようになりました。イタコ霊媒師から「いずれ同じことをされる」と言われたことを忘れず、恵理さんは彼の浮気を警戒し続けていたのです。そして証拠を突き付け、恵理さんのほうから別れを切り出しました。

「不毛な恋愛だと思う方もいるかもしれません。でも、遊び相手のまま終わるのはどうしても悔しかったのです。彼とゴールインする未来はなくても、本命になってから別れたかった。歪んだ女のプライドかもしれません。でも、一時でも彼の一番になれたおかげで、傷ついた自尊心を回復させることができました。イタコの先生には今でも大変感謝しています」恵理さんはそう語って下さいました。

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