陸奥国の神秘・電話占い
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尼子の百物語

第十五話「古い映像に住みついた不浄霊」

今回のお話は、以前、映像編集会社に勤める正博さん(仮名)からご依頼を頂きました件です。正博さんの会社の業務内容は、主に受注された撮影映像を加工・編集して納品する、というもので、テレビ局や出版社、その他さまざまなメディアからの依頼を受けているとのこと。そして、ご依頼の内容は「某テレビ局から送られてきた映像の中に霊のようなものが映っている」というものでした。

具体的な内容は申し上げられませんが、とあるドキュメンタリー番組に用いるために送られてきたビデオテープがあり、そこには過去の映像が集録されているのですが、データをチェックすると、あるシーンで居ないはずの不可解な人物が映り込むそうです。その箇所は番組に必要不可欠なのでカット出来ず、何度やっても同じようになるので困っている、というものでした。

正博さんはオフィスから鑑定のお電話を掛けられていましたので、軽く遠隔霊視をしてみたところ、確かにオフィス全体にうっすらとした霊気が漂っており、編集中とおぼしきビデオデッキから異様な気配が漂っているのを感じました。続いて、私は意識をそのままおフィスに集中させながら、正博さんに「その箇所を再生してみて下さい」とお願いしました。正博さんが問題のシーンを再生すると、オフィスに漂う霊気が一層濃くなるのを感じました。濃密になっていく霊気を辿ると、その原因はやはりテープの中に憑依した霊体であることがわかりました。

そこは数十年前の夕暮れ時の、とある川沿いの風景を写したワンシーンで、そのシーンにかなり強い力を持った不浄霊が憑依していました。霊の正体は、人生に行き詰って川に身を投げ自殺した男。現世に対する強い恨みと無念を抱え、禍々しいオーラを放っています。当時、自分が撮影されていることを感じ取ったその霊体は「多くの人の目に触れたい、無念を訴えたい」という意思の下、映像データに憑依したようです。撮影されてから数十年ほど、そのテープのワンシーンの中に住みついていました。

私は正博さんに、もう一度同じ個所を再生するように指示しました。正博さんがそれに従いテープを再生させ、その再生中に遠隔で念を飛ばして霊を祓う除霊の祈祷を行いました。一回では完全に祓えず、合計3回ほど同じシーンを再生していただき、3回目でようやく霊が離れていくのを確認しました。「もう大丈夫ですよ。霊はビデオテープから離れていきましたので、今後、編集データに妙な人影が映り込むことはないでしょう」そうお伝えして、鑑定は終了となりました。

数週間後にいただきました報告によりますと、除霊以降、編集データに人影が映り込むことはなくなり、映像データは無事先方に納品することが出来たそうです。

霊がビデオテープに住みつくという現象は昔から報告されています。有名なホラー映画にもなったほどですが、実際そういった現象が以前から報告されています。磁気テープはアナログのデータであり、「物」ですので、デジタルデータに比べて霊や念の憑依を受けやすい面があります。近年は映像もデジタル化が進み、テープを使用する機会も減りましたが、ビデオテープ全盛期の頃には、「霊がテープに映り込む」という相談が定期的に寄せられていました。

今回の件は、そういった形でテープに憑依したまま封印されていた霊体が、映像を制作する過程で蘇ってしまった、というものでした。古い映像には時々こういった霊体がまぎれていることがあります。もし古い映像に不可解なものが映り込んでいるのを見つけてしまった場合、すぐさま霊能者に相談するのが得策であると言えるでしょう。

尼子の百物語 / 第十五話「古い映像に住みついた不浄霊」