陸奥国の神秘・電話占い
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口寄せ鑑定再録 霊魂との対話

鑑定実例No.02
「5年前、金銭トラブルを恥じて失踪した義弟。その行方を知りたい」

田中莉乃さん(仮名)・48歳・茨城県龍ヶ崎市・自営業

この実例は、「口寄せで人を探すことはできないか?」というご相談に対して、昔ながらのイタコの生口(いきくち)という手法を忠実に用いた記録です。生口は、電話占いの世界では「生き霊(相手の潜在意識)との会話」という形に応用されて使われていますが、本来は生死の分からない人物の行方をたどり、その霊を呼び出すための方法です。例えば沖合で船が遭難して死体が上がらない漁師の霊を家族が呼び出し、供養をする際に使われることもあったと伝えられています。これを行うと当事者の生死に関わらず、その所在をある程度まで明らかにできるからです。

なお今回、行方が分からなくなっていたのは、相談者の義理の弟さんです。5年前、事業に失敗して大きな借金を背負い、夫の実家で尻ぬぐいをしてあげたが、そのことを恥と感じて失踪したとのことでした。最近になって病身の義父が余命宣告を受け、生きているうちにもう次男と一度会わせてやりたいとの気持ちで探したものの、どうしても見つからなかったそうです。「興信所でも探せなかったのですが、霊能者の先生なら何か分かると思い、夫とも話し合ってお電話させていただきました」と消沈した声でおっしゃっていました。

事前の探査に難航しながらも、ようやく霊を降ろす

[霊能者] <鑑定開始からしばらくは目的の人物を霊眼で探査し続けていたが、やがてエイ!という気合いとともに、数秒沈黙して精神集中>
……ああ、やっと見つけました。ご安心ください。この方、ちゃんと生きておられますよ。
[田中] 本当ですかっ!良かった!
[霊能者] 今も日本の国内にいらっしゃいますね。それ以上は、今の時点ではまだ何とも言えません。このまま引き続いて霊視するか、それとも……。
[田中]あの、もし可能であれば少しでも話してみたいのですが、できますでしょうか。
[霊能者] 分かりました。では、この場にご本人を降します……。
<我が身に霊を憑依させる準備を終えた後>
はい、ではこれから私を通してお話ししていただくわけですが、向こう側の霊気の状態はとても弱いため、引き留めておくのが精一杯という感じなのです。しっかりとした会話は成立しないかもしれませんので、その点はあらかじめご了解ください。さあ、とりあえず、この男性が何か返事をするまで、繰り返し根気よく呼び掛けてみてください。
[田中] はい、分かりました。お願いします。……カズヤさん(義弟の名)、カズヤさんなの?
[霊能者] ……ンンン……ンンン。
<苦しげに呻く声が断続的に続くが、言葉らしきものは発せられない>
[田中] 私です、莉乃です。カズヤさん、どうか返事してちょうだい!
[霊能者] ……ね、義姉さん……。
[田中] そう、私よ!カズヤさん、あなた今、どこにいるのっ?
[霊能者] ううう……そ、それは……。
[田中] どこだって良いけれど、ちゃんと暮らしているの?お義父さんもアツオさん(相談者の夫)も、それを一番心配しているのよ!
[霊能者] だ、大丈夫……あ、ありがとう……。心配をかけて、ごめ……。

事実関係の符合で本人と確認。しかし、いきなり霊が離れる

[田中] カズヤさん、どうして今まで連絡してくれなかったの!?
[霊能者] それは……みんなに合わせる顔が……親父があの時、取り立てのヤクザに脅されて倒れたのも俺のせいだし、兄貴や親戚からもさんざん言われたし……。本当に申し訳なくて、申し訳なくて……。代々守ってきた家の土地まで売る羽目になって……。
[田中] <当事者と親族しか知らない事実関係の話が飛び出し、本人であると完全に確信した模様。現在の家庭事情を詳細に語りかける。プライバシーに配慮して一部省略>
……というわけでお義父さん、もってあと半年って宣告されているの。どうか生きているうちに戻って、会ってあげてちょうだい!
[霊能者] あれから、そんなに悪くなっていたのか……。それも俺のせいだ……。
[田中] それは違う!あなたのせいじゃないわ!
[霊能者] ……ん、んんん……お待ちください。
<声が素に戻る。口寄せ中断>
……今、霊が離れてしまいました。お父様のことはかなりショックだったようです。元々、プライドが高い方のようですが、それに加えて自分を責める意識も相当強いですね。自己懲罰の傾向が異常と言いますか……。こんな言い方は大変失礼なのですが、よく今まで自殺しなかったと思うくらいです。
[田中] 夫に聞いた話では10代の頃に色々あって、精神的に不安定な時期がしばらく続いたそうです。それで頭は良かったのに進学も断念して……。そういう経歴的なコンプレックスもあって、何とか周囲を見返したいと考えて無謀な投資などに手を染めたのではないか、と夫は言っています。
[霊能者] なるほど、そういうご事情でしたか。霊を降ろす直前、現在の様子が垣間見えましたが、相当やせ細っておられますね。毎日、自分をつらく責めながら暮らしているせいだと思います。無精ヒゲも伸び放題で本当に痛々しい姿です。

失踪の遠因が特殊な家系因縁によるものであると指摘

[霊能者] それからこれも申し上げにくいのですが、この方の失踪には家系の因縁も強く作用しているようなのです。本人も訳が分からないまま、そうした強い力に引っ張られているところがある、と言いますか。
[田中] えっ?それは、どういうことですか?
[霊能者] 立ち入ったことを伺いますが、旦那さんのご実家は昔、大きな農家とか商家だったのではありませんか?
[田中] はい。そのように聞いています。総本家というのは江戸時代の末まで代々、土地の名主を務めていた名家だったそうです。もっとも義父の家はその分家のひとつで、農業も義祖父の代に止めてしまったのですが。
[霊能者] そこの家の血筋に関して、男性に障りが出る先祖因縁の存在が感じられるのです。恐らく先祖のどこかの代で複数の人死にや刃傷沙汰が関わる強い怨念を他人から受けているため、とくに男の子孫が身を持ち崩したり、出奔したりということが続きやすいのです。歴史の古い家柄ですとその檀那寺などに過去帳が残ってこともありますから、時間のある時にでも調べてみたらいかがでしょうか。
[田中] 分かりました。私にも息子が2人いるので、何だか背筋の寒くなるお話ですが……。主人にも必ず伝えておきます。それであの、先生……。
[霊能者] ああ、はい、もう一度呼び出せるかどうかということですね。やってみましょう。
[田中] ぜひ、お願いします。ひとつだけでも良いですから、手掛かりを。

失踪の遠因が特殊な家系因縁によるものであると指摘

[霊能者] <再び精神統一してしばらくした後、霊を引き戻すことに成功。声が低くなったのを合図に口寄せが再開される>
ううう……義姉さん……。
[田中] ああ、カズヤさん!戻ってくれたのね!
[霊能者] も……も……もう、放っておいて……。
[田中] 何、言っているの!お願いだから、お義父さんに会ってちょうだい!
[霊能者] ここから海の方へ手を合わせて、親父のことを祈ります……。
[田中] え?海?近くに海があるのっ?
[霊能者] うん。歩いてすぐにところにきれいな……見晴らしの良いところがあって……とても青くて……島もたくさん見えてきれいで……。
[田中] 島?近くに島があるの?
[霊能者] うん。歩いてすぐにところにきれいな……見晴らしの良いところがあって……とても青くて……島もたくさん見えてきれいで……。
[田中] 島?近くに島があるの?
[霊能者] うん、ゴトウレットウ……
[田中] 五島列島?もしかして九州にいるのっ?
[霊能者] ここから親父のことを祈るから、どうか許して……。
[田中] もう一度言って!そこは九州なの?!
[霊能者] どうか……。
<声が小さくなり、全く応答しなくなる。霊がまた離れた模様。口寄せ終了>
……還ってしまいました。本人の無意識部分からの抵抗が強いので、これ以上は難しいですね。
[田中] そうですか、分かりました。
<この後は義弟の生き霊が漏らした断片的な言葉、さらに霊能者自身の透視結果も踏まえて居場所の手掛かりをいくつか告げ、鑑定は終了する>

その後の経過

6月下旬、相談者本人の談

この度は本当にありがとうございました。その後、いただいた手掛かりを頼りに再度、興信所に調査を依頼したところ、九州のN県にある某地域でようやく本人を発見することができました。義弟自身はもちろん係累や知り合いともまるで関わりのない離れた場所で、しかもしっかりとした身元確認がされないアルバイトや賃仕事を選んで転々としていたようで、今回、口寄せをしていただかなければ絶対に見つけることはできなかったと思います。

所在の確認後は、夫と私が急きょ現地へ飛びました。先生がおっしゃっていた通り、激やせして人相がかなり変わっており、会った直後は義弟とは分からないくらいでした。また、たしかにヒゲも生やしていました。

それから3日3晩かけて説得した結果、つい先週、何とか郷里に連れ戻すことができ、義父は大変喜んでおります。最後に親孝行ができて本当に良かったと、夫も心からの感謝の言葉を申しておりました。

義弟の件はこれで一段落ついたものの、例の先祖因縁の話が気になってしかたありません。そうしたものというのは、先生のお力で祓ったり消したりすることは可能なのでしょうか。もし可能ということであれば、ぜひそれもお願いしたいと思います。近いうちに、あらためてご相談させていただきます。

口寄せ鑑定再録 霊魂との対話 / 鑑定実例No.02