陸奥国の神秘・電話占い
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尼子の百物語

第三十三話「住み慣れた我が家が幽霊屋敷に…」

住み慣れた家がある日を境に幽霊屋敷になってしまった……。そんな世にも奇妙な体験をした方からご相談をいただきました。ご依頼主の方は60代主婦の女性。現在の家に住んでもう30年になるとのこと。

「最近まで特に何もおかしなことはなかったんです。でもここ数ヵ月、妙な気配を感じたり、誰かのささやき声が聞こえたりするようになりました。さらに最近では黒い影や白い影、奇妙な光まで見えるようになったんです。私の頭がおかしくなったのかもしれないと思いましたが、旦那も同じものを見ています。さらに先日、久しぶりに帰省した娘が『家の雰囲気が変わった、なんか怖い』と言い出して、霊的な現象が起きていると確信しました」

私は霊的なものの専門家ではないので、ぜひ本職の方に霊視して欲しいのです、どうかお願いします、そう電話口で懇願されました。すぐに霊視をしてみたところ、ご依頼者様のお宅は不浄霊の巣窟になっておりました。一体一体はほぼ力の弱い霊体ですが、あまりに数が多すぎます。さらに澱んだ瘴気に引き寄せられるように力の強い不浄霊も集まりつつあり、非常に危険な状態でした。(なぜこんなことに)不可解な状況を解明するべく霊視を進め、澱みの元を探しました。すると原因が判明しました。それは姿見の位置でした。ご依頼者様のお宅には元々内部を通過するように霊道が通っており、それが姿見で塞がれているのです。鏡には霊的なものを跳ね返す効果があります。霊道が塞がれてしまった結果、通りかかる霊体がご依頼者様の家の中でせき止められるかのようにどんどん溜まっていき、不浄霊の巣窟と化してしまっていたのです。

「姿見の位置を変えられましたね」そう尋ねると「あっ! そういえば、数か月前に場所を動かしました」とのこと。「それが何かいけなかったのでしょうか」そう返されたご依頼者様に、一体何が起こっているのかをご説明しました。

霊道はただ通っているだけなら基本的に無害です。ただし、何かでせき止めてしまった場合、通りかかる霊体のたまり場になってしまいます。霊体には物理的な法則は関係ありませんが、例えば鏡や盛り塩などは霊的に“壁”の意味を持ちます。また正面を向く顔写真、顔の絵などは霊道を作る性質を持っているのです。

「つまり、姿見の場所を元に戻せば変な現象は収まるのですね」「はい」「わかりました。すぐに元に戻します!」そう言われ、お礼と共に鑑定終了となりました。それから二週間ほど後、「言われた通りにしましたところ怪異現象がピタリと収まりました。本当にありがとうございました」とご報告のお便りをいただきました。

尼子の百物語 / 第三十三話「住み慣れた我が家が幽霊屋敷に…」