陸奥国の神秘・電話占い
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尼子の百物語

第二十二話「割れた鏡」

心霊現象と思われる不可解な現象に悩まされている、という方から鑑定のご依頼を受けました。ご依頼者は葉子さん(仮名・37歳)。都内で会社員として働いている女性とのことで、電話越しにも自立した力強いオーラの女性を感じることができました。しかしやはり、霊的にどこか不穏な空気を感じ取りましたので、ご挨拶をしながら軽く霊視をしてみましたところ、不穏な霊気は葉子さんの普段使っているカバンの中から出ていることがわかりました。硝子のようなイメージが浮かび、その中に邪気を含む霊体の気配が感じられました。「何か、手鏡のようなものを持っていませんか?

あまり良くないものの気配を感じます」そう告げると、とてもびっくりされた後、「やはりそうなのですね。手鏡について鑑定をお願いしたいのです」と言われました。

その手鏡は、数年前に購入したもので、葉子さんのお気に入りだったそうです。化粧直しの道具と一緒にポーチに入れ、いつも持ち歩いていたとのこと。それが先日、急にひび割れてしまったそうです。そして、それ以降、身の回りにおかしな気配がするようになったそうです。葉子さんは独身で独り暮らしなのですが、家にひとりでいるはずなのに、誰かの気配がしたり、足音がしたり、時々ブツブツという話し声が聞こえてきたりするようになりました。以前はそんなことなどまったくない部屋だったそうですが、鏡が割れて以降、そういった妙な気配がするようになりました。

「色々と思い出のある鏡なので出来れば捨てたくないのですが……」そうおっしゃる葉子さんでしたが、鏡の中にはすでに低級霊が棲みついており、また鏡自体もすでに割れて運気を下げる代物となっていました。そして、割れた原因も霊障にあるようでした。「手鏡が割れたのは一週間ほど前ですね。あなたは夜に普段行かない場所に行かれたご様子。地下にあるバーのような店内が見えます。そこで化粧直しをしようとして、トイレでうっかり鏡を落としてしまった。そうではないですか?」霊視の結果を告げると、ふたたび驚かれた様子で「はい。その通りです。その日は友達の男性と飲んでいて、おっしゃる通り、トイレで化粧直しをしようとして、手が滑って落としてしまいました」と説明していただきました。

「そのトイレは不浄霊が棲みついている、霊的によろしくない場所だったようです。そこで鏡を割ってしまったことで、鏡の中に霊体が入り込み、そのまま連れて帰ってきてしまったようですね。霊を祓うこと自体は簡単ですが、割れた鏡を持ち歩いている限り、またいずれ同じような霊体が棲みつくようになります。ですので、捨てられることをお勧めします。物にも寿命があります。その鏡自体、物としての寿命を迎えた結果、割れてしまった、と考えたほうが良いでしょう」と提案させていただきました。

後日、葉子さんからお礼とご報告のお便りをいただきました。思い出のある鏡とのことでしたが、寿命を迎えたと考え、潔く捨てたそうです。それ以降、周りでおかしな気配はなくなり、妙な現象もピタリと治まった、とのことでした。

尼子の百物語 / 第二十二話「割れた鏡」