陸奥国の神秘・電話占い
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尼子の百物語

第四話「彼と友人に裏切られた女性の霊が人形に宿る」

「どうしていいのかわかりません」そうお電話をくださったのは、千葉県在住のSさん。Sさんは日本人形が好きで、収集をしているそうです。遠方の骨董屋や骨董市などにも足を運び、気に入った人形を購入していました。ある時のこと、初めて行く骨董市で、とても素敵な日本人形を見つけ、すぐさま購入。ただ、その日本人形を売っていた男性と目が合った時、なぜだかわかりませんが背中がゾクっとしたそうです。一日眺めていても飽きないほど不思議な魅力がある日本人形でとても気に入っていたのですが、なぜだかSさんの周りで不思議なことが起こるようになったそうなのです。

はじめに気づいたのは気配でした。誰もいないはずの部屋に、誰かがいるようなのです。そのうち、誰もいない場所のものが落ちたり、閉めていたはずのドアが勝手に開いたりするようになりました。それに、いつも誰かに見られているような感じがしたのです。薄気味悪かったのですが、Sさんはなるべく気にしないようにしていました。

ところが、異変はどんどんエスカレートしていったのです。ある朝、起きてみると、正面を向けて置いていたはずの日本人形が横を向いていたのです。何かぶつかって角度が変わったかと思ったのですが、次の日には人形が棚から落ちていました。元に戻すのですが、次の日に起きると、また人形は棚から落ちているのです。それが毎日続きました。その頃から、夜苦しくて起きるようになっていたのです。そしてSさんは気づきました。人形が落ちている位置が、だんだんとSさんがいつも寝ているベッドに近づいてきていることを…。

恐ろしくなったSさんは、私の元にお電話をくださったのです。Sさんと電話がつながった瞬間、バチッと受話器に電気が走ったようになりました。私に鑑定をしてほしくない霊の仕業だったのです。霊視でSさんの姿をとらえると、日本人形がSさんの肩にしなだれかかるようにしているのが見えました。「数々の異変は、最近購入した日本人形が原因です」こう言うと、Sさんは言葉を失っていました。

Sさんが骨董市で購入した日本人形には、女性の霊が乗り移っていたのです。その女性の霊は、今から数十年前に亡くなった女性の霊。結婚の約束をしていた男性を、信頼していた友人に奪われてしまったのです。その後、二人は彼女の元から姿を消してしまいました。絶望をした女性は、自らの命を絶ったのです。亡骸の横には、彼女が大切にしていた日本人形がありました。その日本人形が流れ流れてSさんの元へ来たのです。

霊視をしたところ、日本人形から声が聞こえてきました。「憎い…私を裏切った彼と、友人が憎い。幸せな人が憎い…」と。日本人形には女性の霊が乗り移っていたのです。しかも、いまだに男性と友人に裏切られたことを恨んでいました。その恨みの感情はおさまることなく、この人形を所有した人に不幸をもたらしていたのです。Sさんの手に渡る前にも、多くの人がこの日本人形により霊障に遭い、手放してきたのです。

Sさんもこのまま所有しているとますます霊障がひどくなっていくので、すぐに手放すよう伝えました。人形供養を行なっているお寺に持って行き、しっかりと供養していただくようお勧めしたのです。その後、Sさんから改めてお電話いただいたのですが、人形供養をしているお寺に持って行き、しっかりと供養してもらったところ、Sさんを襲っていた数々の異変はおさまったそうです。人形など、物にも霊は宿るもの。貴女の家にももしかしたら、霊が宿っている物があるかもしれません。

尼子の百物語 / 第四話「彼と友人に裏切られた女性の霊が人形に宿る」